全てに絶望し自殺場所を探してたどり着いた場所、それがパチンコ店
当時60才くらいだったかな?ほとんどが20代の若いパチンコ社員の中おじいちゃんの店員がいた。肩書はホール主任。名前はYさん。社員はみんな孫くらいの年齢差なのでやさしくみんなに好かれていた。
自分からは語らなかったがY主任は岡山県出身で奥さんにも先立たれ自暴自棄になり自殺しようと人生最後の場所を探して各地を転々としていた。ある日お腹が空きすぎてどうしようと悩んでいたところにある看板が目に入った。
パチンコ店員募集!年齢経験不問!社員寮、食事つき!
彼はタダでご飯が食べれると思い早速パチンコ店に面接に行き採用になった。それから20年…自殺しようとしていたY主任はオーナーからの信頼を勝ち取り今に至っていた。以前にお話ししたがパチンコ店で働いている社員はほとんどが訳あり者。
心を開かず人付き合いもしない社員がたくさんいた中、年齢が離れたY主任にはみんな心を開き相談などをしていた。休みの日にはY主任は社員やコーヒーレディーをご飯に連れて行ってくれたり一緒にカラオケに行ったり。
私もかなりお世話になりました。Y主任のような人がパチンコ屋には必要だとオーナーはわかっていたのだろう。
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Y主任に注意されたヤンキーパチンコ店員がY主任に絡みまくる!
Y主任を気に入らない社員も少なからずいた。中でも現役暴走族のヤンキー店員Sは勤務態度が悪く遅刻、無断欠勤の常習犯。勤務中も女性パチンコ客やかわいいコーヒーレディーをナンパしたり、女性パチンコ店員にもちょっかいをかける。見かねたY主任が注意した。すると彼はこう言い放った。
じじいはすっこんどれ!お前がおるから仕事したくないんじゃ!やめちまえ!
と暴言を吐いた。それを見ていたオーナーが2人の前にやって来た。
ヤンキーパチンコ店員SがオーナーにY主任を辞めさすように提案
ヤンキーパチンコ社員Sはオーナーに向かって「俺を取るか、Y主任を取るかどっちなんや?」「答えは決まってるわな。未来ある若い俺か、先のないじいさん、もちろん俺だろう!早くじいさんを辞めさせろ!」と。オーナーは答えた。
もちろんじいさんを取るわ!Y君、お前はいらないわ、今すぐ辞めてくれ
ヤンキーパチンコ店員Yは烈火のごとく怒った。「お前ら覚えとけよ!俺が一声かければ暴走族がたくさん集まる。お前ら外を歩けなくしてやる!」と言い放った。オーナーは「どうぞ、どうぞ」と相手にしない。ヤンキーパチンコ店員Yは制服を叩きつけ辞めていった。
オーナーの言葉に感激したY主任は涙を流した。
元々一人ぼっちで相談する人もなく、頼ってくれる人もなく自殺を考えていたY主任。オーナーの自分への信頼を言葉、態度で見せてもらった事に感激して言葉なく泣き崩れていた。それからますますY主任はパチンコ店を支えるために一生懸命に働く事となった。
あれから10数年以上たったがY主任は元気にしているだろうか?私はパチンコ屋を辞めてからY主任のように心を開ける人にまだ会えない。