勤めるだけで全てが与えられた最高の職場、それがパチンコ店!
現在は皆無ですが20年以上前のパチンコ店はどこの会社よりも社員は優遇されていた。今考えると過剰すぎたと思う。
パチンコ店の採用は人間であること
当時のパチンコ店は常に社員を募集していた。イメージが今に比べてかなり悪くどうしようもない人が勤める場所、世間のはみ出し者が集まる職場だと思われていた。実際、そうだったのだが。面接に行けばほぼ100%採用される。
履歴書を持って行ったのだがあまり関係なかったようだ。ホール内はタバコ臭い、大音量、お客さんのガラが悪すぎる、と3拍子も4拍子も環境の悪い条件が揃っていた。こんな場所で働く人はなかなかいないので来るもの拒まずだったように思う。
社員はほとんどどこの誰だかわからない人たちばかり
実際働いてみると社員はどこの誰だかわからない人が多い。訳ありの人が多いので身元など詳しい話をするのはタブーとされていた。方言もバラバラで地方から訳あって流れてきた人も多かった。
訳ありだと就職するのも部屋を借りるのもかなり難しい。というか不可能。そういう人たちが生きていくにはパチンコ店勤務が非常に都合が良かったのである。
手ぶらでも人並み以上の生活が保障される場所、それがパチンコ店
どんな人間でも採用されればその瞬間から全てが与えられる。私が勤めたパチンコ店では
2DKのアパート(光熱費無料)
昼、夜の賄い付き(食事)
出勤日は300円相当のタバコかお菓子支給
車がある人には駐車場
前借り可能
驚くことに全てが無料。ですので社員は節約という意識が全くなく部屋にいない時でも電気はつけっぱなし、エアコンも24時間つけっぱなし。給料を使うことがないのでお金はハンパないスピードで貯まります。
実際私は20万円の手取りで1年で180万円貯めました。しかし、ほとんどの人はギャンブルに給料全てをつぎ込んでしまうのです。なぜって?
無一文になっても支払いがなくご飯も付いていて前借りもできるからです
すぐに辞めていく(トンズラ)する社員も日常茶飯事
いっちゃ悪いですがこの時代のパチンコ店の社員は世間の常識に馴染めない人が多かった。嫌なら辞める。辞め方もほとんどがトンズラ夜逃げ。逃げてもパチンコ店は全国に星の数ほど存在するので生きていく上では何も困らない。次もすぐに雇ってもらえて家、食事、給料が保障されるのですから。
このような生活を続けていると社会復帰が難しくなる
貯金をしたいという目的で一時的にパチンコ店勤務を選択するのはいいと思います。しかし、その場しのぎでパチンコ店を選ぶと楽な生活に流されてしまい通常の生活に戻れなくなります。
通常は毎月の給料から光熱費、食費を払い、車を持っていると駐車場代を払う。その残りで遊ぶなり貯金するなりしていく。しかし待遇が過剰なパチンコ店に長く勤務していると通常の感覚が麻痺してしまい、なかなか通常に戻れない。
目的を持つことが大事
過剰な優遇をしていたパチンコ店が悪いわけではなく本人の問題です。その時代でも貯金を目的としてしっかり生活している人もいました。その人は目標の金額が貯まって円満退職しました。目的を持つとどんな環境でも自分を見失わないですね。